エコノミークラス症候群の予防に着圧ソックスが有効

エコノミークラス症候群とは

エコノミークラス症候群 詳しい医師が避難所に


一連の地震のあと、避難生活を送る人が「エコノミークラス症候群」と診断されるケースが相次ぐなか、新潟県中越地震でも避難した人たちの診察にあたった新潟大学医歯学総合病院の榛沢和彦医師など、エコノミークラス症候群に詳しい医療チームが、益城町の広安小学校に設けられた避難所を訪れました。
医師は、避難している人に問診を行い、避難してからの日数や、どの程度体を動かしているかなどを尋ねたあと、エコーを使って病気の原因となる血栓ができていないかを調べました。そして、予防策として、血流をよくするストッキングをはくよう呼びかけていました。
診察を受けた60代の女性は「問題ないと言われて安心しました。こまめに運動して予防したい」と話していました。
榛沢医師は「水分をこまめに取ることに加え、体を動かせない場合は足をマッサージするなどして、予防に努めてほしい」と話していました。
引用:エコノミークラス症候群で初の死者 熊本 | NHKニュース

エコノミークラス症候群

むくみのイラスト

エコノミークラス症候群とは何か、皆さんご存知ですか?

 

エコノミークラス症候群の原因は、長時間同じ姿勢で座り続ける事で、足の血流が悪くなり、膝の裏辺りの静脈に「血栓(血の塊)」が出来る症状です。

 

この血栓が出来るだけでは、すぐに命に関わる事ではありません。
しかし、血栓が歩行などをきっかけに血流に乗って肺の血管を詰まらせてしまうと、最悪の場合死に至ります。

エコノミークラス症候群の初期症状

エコノミークラス症候群の初期症状は、まず膝や足のむくみ、腫れ、その後ふくらはぎや太ももに激しい痛みが起こります。

 

足のむくみはエコノミークラス症候群だと気付きにくいですが、ひざの裏の腫れや痛みがあれば要注意。

 

足などの静脈に血栓が出来る病気を「深部静脈血栓症」、
この血栓が肺の血管を詰まらせてしまう病気を「急性肺血栓塞栓症」といい、
この二つの病気を合わせて「静脈血栓塞栓症」と呼びます。

 

エコノミークラス症候群とは、長時間同じ姿勢で座り続ける事により起こる「静脈血栓塞栓症」の事です。

エコノミークラス症候群の症状

飛行機から降りた瞬間に静脈血栓塞栓症で突然死する事例が続いた事からエコノミークラス症候群と呼ばれ始めましたが、同じ姿勢が続く列車、バス、車でも起こる可能性はあり、また長時間のフライトでしか起こらないと勘違いされやすいと危惧される事から、最近では「旅行者血栓症」と呼ぶ医師も増えてきました。
実際に、タクシードライバーが勤務中に発病、亡くなったケースもあります。

 

もし肺の血管に血栓が詰まったとしても、それが末端の細い血管などであったり、血栓が小さければ無症状の場合が多いと言われています。

 

しかし、大きい血栓が肺動脈を塞いでしまうと、肺の酸素が血液中に取り込まれず、呼吸をしていても窒息状態になり呼吸困難を引き起こします。
また血栓が肺の動脈を完全に塞いでしまうと、血流が止まり、失神やショック症状を起こし、突然死に至るケースもあります。

 

エコノミークラス症候群の患者さんの約80%が突発性の呼吸困難を起こし、約半数の方が激しい胸の痛み、10〜30%の方が失神を経験されているようです。

エコノミークラス症候群の原因

エコノミークラス症候群の原因は、「長時間の足の運動不足」とそしてもう一つ大きな要因が「水分不足」と考えられています。
飛行機やバス、車などの車内では、トイレにすぐ行けないという不安感から、水分の摂取を控えてしまう傾向があります。

 

また乾燥した飛行機、車内では体内の水分が逃げていきやすいので、血液がドロドロ状態になり、血栓が出来やすくなります。

 

避難所生活のイラスト

特殊な状況下だと、震災などで車内に避難している方や大人数の避難所での生活が続いている方にも、エコノミークラス症候群は多く見られています。

狭い車内に家族4人で避難している場合、足を伸ばすのは難しいでしょう。

 

また資源が充分にないため水分補給も満足に出来ない、周りの方を気にしてトイレに行けないなどの問題もあります。
また不便な避難生活や余震などの恐怖やストレス、睡眠不足などで体調は悪化しがちです。

 

実際に新潟県越中地震や、今回の熊本地震でも車中泊の避難者を中心にエコノミークラス症候群を発症、死亡した例もあります。

エコノミークラス症候群になりやすい人

エコノミークラス症候群になりやすいと言われている人は、

  • メタボリック症候群をはじめ生活習慣病の人
  • 肥満の人
  • 糖尿病の人
  • 下肢静脈瘤を有している人
  • 40歳以上の女性
  • タバコを吸う人

特に普段から立ち仕事が多い方は血栓が出来やすかったり、下肢静脈瘤を有している可能性が高いので注意が必要です。
下肢静脈瘤の予防には弾性ストッキング着圧ソックス・ストッキングが有効です。

エコノミークラス症候群の予防と対策

このエコノミークラス症候群は、予防が一番の対策です。

 

エコノミークラス症候群を予防するには、長時間同じ姿勢で座り続けないことが大事です。
動ける状態であるなら、数時間に一度は屈伸運動や、歩く事。
飛行機内など、むやみに動き回ってはいけない場合は、2時間に1回程度ふくらはぎのマッサージをしましょう。

 

水を飲んでいる人のイラスト

そしてなによりこまめな水分補給が肝心です。

利尿効果の高いアルコールやカフェインを含む飲料は、かえって脱水症状を引き起こす恐れがあるので避けた方がいいでしょう。

 

また、エコノミークラス症候群の予防対策として、着圧ソックス弾性ストッキングが有効と言われています。

 

足首からふくらはぎ、太ももにかけて段階的に圧力をかけることで、ふくらはぎなど下肢の血液を押し上げ、血流を良くする効果があります。
足は第二のポンプと呼ばれるほど、全身の血流に影響を及ぼします。

 

医療用の着圧ソックスは、リンパ浮腫の予防治療として保険適用されますし、他にも足のむくみや下肢静脈瘤などの予防に有効的で、市販されているものでも充分に効果が期待出来ます。

 

今回の熊本地震でも、車中泊が続いたり避難所であまり動けない生活を送っている方たちにも、医師らはこまめな水分補給、適度な運動やマッサージとともに血流をよくするストッキングを履くよう呼びかけていると報じられています。